ISO内部監査4:有効性監査の方法とは?目標と実績の乖離分析(OK)

今回は有効性監査の方法について解説していきます。

1. 有効性監査とは

内部監査とは

有効性監査は、ISOマネジメントシステムの目的である「方針、目的、および目標に対する運用結果(実績値)を継続的に改善すること」が実現されているかどうかを評価するプロセスです。

簡単にいうと、目標に対して行動を起こした結果、目標と実績が乖離している場合、ちゃんと改善していますか?ということをチェックするということです。

目標と実績の乖離の調査

例を挙げて説明します。

会社の方針として、「製品の品質を高めて競合よりも優れている商品を世の中に広めること」とした場合、その目標に対して達成できているかを具体的にチェックします。

監査員は、企業の品質記録やプロセスを調査し、製品の品質に関するデータを収集します。

例えば、不良品の数やクレームの件数を分析し、これらの過去に比べて改善されており、不良品数が減少している場合、それは有効性の証拠となります。

この場合、マネジメントシステムが方針に従って継続的な改善を実現していると言えます。

逆に、もしデータが改善していないか、悪化している場合、有効性監査において問題が浮き彫りになります。

この場合、マネジメントシステムの改善が必要であり、対策をしなければいけないので、対策を講じてくださいと言うことになります。

つまり、有効性監査は、マネジメントシステムが設定した目標に対して実績がどのように進化しているかを評価し、必要に応じて改善策を立てるためのプロセスです。

監査は常にマネジメントシステムの成果とパフォーマンスに焦点を当て、組織の目標達成に貢献します。

有効性監査の方法

a) 監査の目的を明確にする

有効性監査を実施する前に、何を評価し、どのような問題を特定したいかを明確にします。具体的な部署や業務活動、そして実績値に焦点を当て、監査の目的を具体的に示します。

例えば、ある製造会社では製品の品質向上を目指しており、そのために製造プロセスを改善したいと考えています。

有効性監査の目的は、製造プロセスが目標に適合しており、継続的な改善が行われているかを評価することです。

b) 有効性監査の方法

プロセス/部署の実績値の継続的な改善をチェックする。

監査では、特定のプロセスや部署の実績値を評価します。ここでの継続的改善は、目標や管理基準に適合していない場合、それを改善する努力が行われていることを意味します。

例えば、製造プロセスにおいて、品質目標に達成されていない場合、品質を向上させるための措置が取られているかどうかを評価します。

何が実績値の継続的改善を阻害しているのかを特定する。

監査では、なぜ実績値が改善されないのかを明らかにします。PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを阻害する要因を特定し、指摘します。

これには、計画段階での目標設定や計画、実行段階での手順の遵守、チェック段階での進捗管理、評価などが含まれます。

例えば、品質が向上しない場合、品質管理手順が適切に実行されていない可能性があり、それが改善の障害となっているかもしれません。

指摘事項を修正、改善し、実績の改善につなげる。

指摘事項を修正し、改善策を実施します。例えば、品質管理手順が不十分であると指摘された場合、新たな品質管理プロセスを導入し、品質向上に寄与します。

要するに、有効性監査は、特定のプロセスや部署の実績値が目標に適合しており、それが持続的に改善されることを確認し、問題があれば改善策を立てて実行するプロセスです。

これにより、組織は目標達成に向けて効果的な手段を講じ、成果を持続的に向上させることができます。

まとめ

有効性監査の方法について解説でした。有効性監査は、目標と実績をチェックして、実績を生み出したプロセスをチェックすることによって、さらなる改善を生み出します。

システムをより良くしていくための根本的な考えかたでした。